看護師は、有給休暇を取得しにくいというイメージがありますが、実情はその通りです。年間の有給休暇を、すべて消化できている人は決して多くありません。その大きな要因の1つが、人手不足です。外来でもぎりぎりの人数で回している医療現場が多く、病棟でも勤務制になっているため、急な休みを取りにくい環境が影響しています。
日勤なら、出勤している人で業務分担できることもありますが、人数が少なくなる夜勤時に休みを取ってしまうと、自分の代わりに他の看護師が通し勤務なる可能性もあります。その後の職場の雰囲気を思えば、少々体調が悪くても無理をして勤務する看護師は多いでしょう。
予定が前もって決まっているのであれば、当月の勤務を決める前など早めに有給休暇を申請しておくと、スムーズに取得することができます。また、旅行などで長期間の有給休暇を取得するときは、繁忙期を避けるようにしましょう。事前に勤務を組む看護師長などに、有給休暇を取りやすい時期などを相談してから取得すると、心象がよくなります。
冠婚葬祭などやむを得ない場合は、理由をはっきり伝えておくことで周囲の理解も得やすいです。有給休暇を取得することは法的に認められた権利ですが、周囲の気配りを忘れないことで同僚の看護師ともコミュニケーションがとれ、有給休暇を取得するときにお互い協力し合うことができます。
そして、有給休暇の前には、引継ぎなどが必要な際はメモなどの文章を残しておくことも大切です。以上のようなちょっとした配慮をすることによって、激務といわれる看護師の休暇の取りやすさも変わってくるかもしれません。